14日からの週は、ユーロが堅調だった。ギリシャ格下げや南欧諸国の国債が売られるなど悪材料への反応は鈍った。ユーロ相場はショートカバー主導の展開となった。投資家のユーロ売りポジションがすでに高水準に達している点が指摘された。注目されたスペイン国債入札は順調に消化、サッカーワールドカップで熱戦が繰り広げられたこともポジション調整を誘う面があった。ユーロドルは1.24台乗せ、ユーロ円は113円台を回復する場面があった。スイス中銀が介入姿勢を弱めたことでスイスフラン買いが強まる場面もあった。一方、ポンドは神経質に振れた。利上げ観測、CPI、成長見通しの引き下げ、英FSA廃止の方針など様々な材料があった。豪ドルやカナダドルなど資源国通貨は株式市場や商品市況をにらむ展開だった。一連の米経済指標の結果は強弱が混在、市場には不安定さも内包された。ドル円は90円台へとじり安の推移。全般にドル安傾向はみられたものの、クロス円の動きは不安定だった。株式市場は底堅く推移したものの円安の流れを伴うリスク選好相場までには至っていない。
人民元がついに切り上げ!
この週末、中国がついに人民元の切り上げに言及した声明を発表しました。「人民元の為替制度改革を一歩進め、柔軟性をさらに高める」という
ものです。以前にも書きましたが、中国は都市部の不動産価格の高騰や、米国等との貿易不均衡問題により、金融引き締めや通貨切り上げといった政策を行うことを余儀なくされていたと言えるでしょう。
ただし、ここのところ、市場の注目が欧州に向かい、また、ユーロ下落により、米ドルとともに人民元が相対的に強まったこともあり、昨年以降市場から注視されていた外部からの元への切り上げ圧力が少々薄れていました。今回の声明は、「外圧」を嫌う中国にとって、来週に控えたG20の前に「自ら」交渉力を高めるアピールをする良い機会だったのかもしれませんね。
「柔軟性をさらに高める」という今回の声明ですが、どういう措置がとられるのでしょうか。
そもそも現在中国で採用している「管理変動相場制」「通貨バスケット制」は2005年に導入されました。「管理変動相場制」は人民銀行が発表する為替レートに対し、対米ドルの場合、仲値の上下0.5%以内の変動幅と設定しているものです。
「通貨バスケット制」というのはその名の通り、一つのバスケット(カゴ)に様々な外貨を入れる、つまり複数の外貨を定率で組み入れ、算出し、自国通貨に連動させる制度です。以前は、ドルペッグ制とともに、アジア諸国をはじめ採用国が多かったのですが、完全な固定相場制にすることによって、経済規模の格差などから歪みが発生しやすく、いくつかの通貨危機を経て、制度そのものを放棄した国も少なくありません。ある程度の変動幅を与える「管理変動相場制」と組み合わせることで、安定性が増すと考えられています。
中国のバスケット採用通貨については、米ドル・日本円・ユーロ・韓国ウォンを主として、英国ポンド、タイバーツ、ロシアルーブルなどがほんの少し加えられていると言われていますが、その構成比率は公表されておらず、また中でも米ドルとのペッグが一番強いと言われています。
今回の声明では具体的な措置についてはまだ不明ですが、「通貨バスケットを参考に相場を調節する」との説明はありますので、通貨バスケット制をやめる、ドル連動を解除するといった急激な自由化は選択できないのではないかと思います。
通貨バスケットの構成比率を見直す(そもそも公表されていませんが)ことによって人民銀行の発表する為替レートが多少人民元高になることも考えられます。その上で、変動幅を0.5%から0.7%〜1.0%程度へと広げることにより、上昇(変動)余地を作る、といったあたりが妥当なところではないでしょうか。
いずれにせよ、2005年の改革時(人民元高)と同様に日本円がつられて対米ドルで円高になることは考えられますが、すでに現在十分に円も強い状況であり、一時的な流れになると予想されます。
ユーロが多少落ち着きを見せると、再び中国が要注意に・・・市場では常に新しい動きがありますね。「旬なテーマ」を見落とさないようフォロー
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